【自動化費用の考え方】ロボット導入に必要な費用対効果の知識
「人手不足が問題になっていまして工場にロボットの導入を検討したいのですが、この設備だとどのくらいの費用が必要ですか?」
「概算ですとこのくらいの金額になりそうですね。どうでしょうか?」
「なるほどですね(思ったよりたっかーーーーーーーい!!!)」
このパターンをご経験した設備担当者の方、経営者の方も少なくないのではないでしょうか。
ロボットで自動化を検討する際になぜこのような「思っていたのと違う!」というギャップが生まれてしまうのでしょうか。
それはロボットは単体では力を発揮できない、見えない費用もかかっているというのがいまいち浸透していないことが原因ではないでしょうか。
じゃあロボットで自動化って最近よく耳にするけどそんなにメリットがないのかというとそうではありません。
ロボットは人手不足を解消すること、人件費などの費用を削減することに大きく貢献できます。
ここでお伝えしたいことは導入費用が高いからロボット使うのやーめたとすぐに検討を断念しないでもらいたいということです。
初期費用はかかっても思い切った自動化に踏み切ったことで省人化を達成でき、毎年人を雇っていた分の人件費を抑えることができた。
そのおかげで数年後に次の自動化にも踏み込めたという事例は多くあります。
今回はメリットを生むロボット自動化ができるかどうか見極めるために、ロボット自動化の検討段階に必要な”費用”の考え方をご紹介します。
認識違いが起こりやすいこと
●ロボット単体の費用だけでは自動化できません
●多品種少量生産に対応させるにはそれなりの費用が必要です
●費用対効果は数年単位で考えて下さい、1年程度でプラスになることはほとんどありません
ある企業の例①
担当者:「ロボットを1台導入したいです。」
メーカ:「かしこまりました。検討致します。」
担当者:「費用はどの程度になりますか?」
メーカ:「諸々合わせましてざっと1500万円といったところでしょうか。」
担当者:「ええっ!そんなにするんですか!?」
「ロボット1台だけなんで500万円程度じゃないんですか?」
メーカ:「ロボット本体だけだとその程度ですが…」
「周辺機器や設計費、調整費などを含めるとこのくらいが妥当なんです…」
担当者:「もっと安いと思ってたーー!!!」
ロボット自動化ってロボットだけ購入すれば良いわけではないんです!
(ロボット本体のみを購入して周辺装置などは自社で設計、製作するという場合は本体のみの価格で問題ありません)
ある企業の例②
担当者:「ロボットでこんなことしたいんですよね。」
「それとこれも一緒にやって欲しくて。」
「あっ!あとこれもやってくれると助かるな~。」
メーカ:「わかりました。全てをできるようにシステムを製作すると約3000万円になります。」
担当者:「ええっ!そんなにするんですか!?」
メーカ:「ロボットでやりたい事が多くなるとどうしても費用がかかってしまうので…」
担当者:「もっと安いと思ってたーー!!!」
ロボットを多品種少量生産に対応させようとするとそのなりに費用はかさむものです!
(多品種少量生産でも費用を抑えながら導入できる装置は最近増えてきてはいますが)
考え方を変えるだけでロボット導入の敷居は低くなる?
費用は意外とかかる、制限もそれなりにあるのではロボットを導入する意味ってどこにあるの?と疑問に思われるかもしれません。
しかし、少し考え方を柔軟に持てばメリットって大きいんだなと感じて頂けると思います。
ロボット自動化を検討する際によく質問を受ける内容を元に見極め方をご紹介します。
<Q1.人を雇うのとどう違うの?>
大きく分けて2つあります。作業者を雇う人件費が削減できることと品質が安定することです。
作業者の方に1から作業方法を指導し作業を覚えてもらうとします。この場合作業に慣れるまである程度の時間はかかります。
もし作業者が変わってしまった場合は、もう一度指導する時間もかかりますし製品の品質も微妙に変わってしまうことがあります。
ロボットを導入することでこの教える時間を削減することができますし、一度覚えたものは安定した品質で半永久的に作業を行うことができます!
<Q2.自動化の費用対効果ってどう判断すれば良いの?>
人件費×導入年数>導入費用となるにはどのくらいの年数が必要だろうかという視点で見て下さい。
自動化の費用は数千万円程度になることもあるため簡単に導入できるものではありません。
しかし一度ロボットを導入してしまえば24時間365日、かつ数年以上稼働させることも可能です。
これを作業者を雇って作業をしてもらう人件費と比較してみるのが分かりやすいです。
<Q3.費用が思ったより高いと感じることが多いのだけどなぜ?>
設計費、試験費、調整費用などが見えない費用として発生するため高く感じるケースがあります。
ロボット本体などの装置自体は実際に動くものなので費用が分かりやすいですが、ロボットに動作を教える調整のための費用などは分かりにくいため高いと感じることがあるかもしれません。
これは例えるなら、ロボットという新入社員に教育をして一人前になってもらう費用だと考えて下さい。
<Q4.見えない費用は分からないからってぼったくりしてるんじゃないの?>
実際にロボットを導入してみて「上手く行きませんでした。すみません。」と我々も言うわけにはいきません。
導入後に失敗する可能性を最大限減らすために必要な費用になります。
どうしても高いのではないかと疑問に思う場合は検討しているメーカに相談してみて下さい。
なぜこの金額の費用が発生するのか丁寧に教えてくれるはずです。
キーワードは単純作業と多くの作業者
ロボットを導入して費用対効果が見込める場所のキーワードは単純作業と多くの人手がかかっている場所です。
まずは工場内でそのような工程があるのかという視点で見てみるのが良いのではないでしょうか。
ロボットを導入して浮いた費用を元に、次のロボット自動化を、その次の自動化を…といったようにどんどん導入を行うことだってできるようになるかもしれません。
逆を言えば自動化の費用が無いのは自動化をしていないからかもしれません!
ここってロボットを導入すると良いかも!というお考えがある方から、とりあえずロボットがどんなものか知ってから検討してみたいなという方まで幅広くご対応しています。何かご要望あれば是非ご相談下さい!
この記事はロボット導入に必要な予算の立て方というページを元に作成しています。
合わせて見て頂けるとさらにロボット導入費用の考え方を理解できるかと思います。