日本最大級のオートメーションと計測の先端総合技術展 ~IIFES2019~
2019年11月27日~29日の3日間にわたり、東京ビッグサイトで最先端の産業用機器や計測器が展示される「IIFES(Innovative Industry Fair for E x E Solutions)2019」が開催されました。
近年急速に導入が加速されるAIやIoTといった最先端のトレンドをテーマとして各企業が出展を行っており、多くの情報を入手することができる展示会となっています。
その展示会に弊社も情報収集を行うため参加してきましたので、あくまで個人の感想にはなりますが、出展されていた企業の情報を少し紹介させて頂きます。
※旧名「システムコントロールフェア/計測展TOKYO」
開催概要
【主催】 :一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)
一般社団法人 日本電気制御機器工業会(NECA)
一般社団法人 日本電気計測器工業会(JEMIMA)
【開催日時】:2019年11月27日(水) ~ 29日(金)
【開催場所】:東京ビッグサイト 西1・2・3・4ホール、アトリウム
【出展内容】:産業界の最先端技術・情報を担う電機機器、計測産業機器
【来場者数】:3日間総計50,252名
出展企業
出展していた多数の企業のうち抜粋して3社の情報についてまとめます。
[安川電機]
インバータ、サーボモータを各種センサ代わりに使用して機械の故障予知や予防保全を行うデモ機を多く出展されていました。
また、安川電機のソリューションコンセプトである「i3-Mechatronics」を提唱する製品、「YRMコントローラ(参考出展)」も出展されていました。
安川電機のモーションコントローラを使用したIoT製品は、各社PLCでのビッグデータ活用とどのような違いが生み出せるのか今後に注目です。
[三菱電機]
次世代スマートファクトリーのテーマである「e-Factory」のコンセプトに基づき、PLCでのビッグデータ収集とそのデータを元にAIを活用するといった展示テーマが多く見られました。
PLCは三菱電機の強みでもあるので、そこを軸として各製品やアプリケーションに活用していくことが今後も予想できそうです。
[オムロン]
「i-Automation」のコンセプト展示では、実際に他工場の管理システムと連携した状況を展示したりと、多くの来場者の方が注目して足を止めていました。
また、サーボシステムでのAI活用や協働ロボットTMシリーズでのパレタイズなど多くの種類のコンセプトテーマが盛りたくさんの展示となっていました。
各種機器とAIをどのように活用していくかがキーになってきそうです。
展示会全体を通して
今回の展示会で目立ったものとして、以下の3つではないかと思います。
1.インバータやサーボをセンサとして使用、最適化を図る
モータの動作を内部で解析し、振動・音などのセンサを使用せずモータ自体や装置の稼働情報を入手することができる。
その情報を元に故障予知・予防保全を行う。
さらにAIを使用して自動設定も行うことができ、面倒なしきい値の設定などが簡単にできる。
2.エッジ機器を活用、クラウドツールを使用し設備全体の最適化
各社エッジ機器(センサなどの制御機器のデータを集約する機器)を使用して、データを収集し、「見える化」や「AI活用」ツールを活用する。
3.IoTを活用するためのセンサ
装置の状態を知るため、データを収集するために必要な各種センサや計測器自体の最先端技術(無線IOの活用など)
この3つの技術発展は、今後注目していくべきところではないかと思っています。
個人的に気になった出展テーマ
多くの出展ブースで取り上げられているテーマとは少し外れますが、面白いなと感じたテーマについてご紹介します。
<TSN(Time Sensitive Networking)>
簡潔に言うと、Ethernetの通信規格をベースとして時間の同期性が保証されているリアルタイム性に対応したネットワーク規格です。
IoT活用をすべく、多くの機器のデータ収集を行ったとしても各データの時刻自体がずれていたとしたら…
極端な例ですが、異常発生履歴を活用しようとしても、確認した情報の整合性がずれており誤った対応をしてしまう可能性もあります。
そこで注目されているのが、TSN規格です。
TSN規格はMECHATROLINKやCC-Linkなどの規格にも今後導入予定となっていました。
今後もIoTやAIを活用した機器や製品、アプリケーションといったものがどんどん登場していくと思われるので、この分野はとても注目しています。