ロボットの自由度

ロボットの自由度

産業用ロボットの種類は大きく分けて「垂直多関節ロボット」、「水平多関節ロボット」、「パラレルリンクロボット」、「直交ロボット」などがあります。

動作方法としては、モータの力を軸や関節と呼ばれる可動部分を動かし、目標の位置や姿勢に移動します。

その産業用ロボットの中で、もっとも一般的なものが「垂直多関節ロボット」になり、その軸構成は基本的に6つです。

今回は垂直多関節ロボットを知るうえで、なぜ6つの軸構成なのかを取り上げながら産業用ロボットの豆知識としてロボットの自由度について紹介します。

<自由度と動きの関係>
垂直多関節ロボットの自由度(※1)は、一般的に6つで構成されています。

<なぜ6自由度なのか?>
3次元空間で物体の位置と姿勢について座標で表すと、以下のようになります。

①X軸方向の自由度
②Y軸方向の自由度
③Z軸方向の自由度
④X軸方向の回転自由度
⑤Y軸方向の回転自由度
⑥Z軸方向の回転自由度

座標から分かるように、3次元空間において、最低6自由度を用いれば物体の位置と姿勢を自由に動かすことが可能なのです。

よって、6つの自由度を持つ垂直多関節ロボットは自由な場所に自由な角度で作業を行うことができるのです。(※2)

<人の腕の自由度>
人の腕の動きを自由度で表すと、以下の7つとなります。

①肩の前後の動き
②肩の左右の動き
③上腕を捻る動き
④肘の曲げ伸ばし
⑤前腕を捻る動き
⑥手首を手のひら方向に曲げる
⑦手首を横に動かす

よって、人の腕の動きは7自由度で構成されているということです。

7つの自由度を持つことで、6自由度と比べ「楽な姿勢」を取れたり、「狭い場所での移動」が容易になります。(※3)

<7軸ロボットの利点>
人の腕と同じ動きができるということで、6軸の自由度に肘の角度の自由度を加えた7軸のロボットも用途により活躍しています。

<7軸ロボットの利点>
①省スペース
7軸目を使用することで、回り込みなどの柔軟な姿勢を取れるため、機械やワークなどに接近して設置できます。

また複数のロボットを接近して設置できるため、工程間の省スペース化が可能になります。

②最適姿勢保持
周辺の干渉物を回避しながらの動作が6軸の場合と比べ得意となります。

(※1) ロボットの可動部のことを「関節」や「軸」と言うが、同様に「自由度」とも表す

(※2) 実際には動作可能な範囲に制限はある

(※3) 自由度に余裕があることを冗長自由度という

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