展示会レポート

国際画像機器展2018

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日本の製造現場において、少子化等による作業者の減少は現在問題になっています。
そのため、工場等で生産に携わる企業では製造ラインの自動化・省人化に取り組んでいる、または検討しているところが多くあることでしょう。
その中で、製品検査の工程に必要不可欠な画像処理に関する展示会情報を入手することは、自動化・省人化に悩まれている方々、そして自動化の提案を行う立場の方々にとっても有益な情報源となると考え、今回の展示会に参加致しました。

簡単ではありますが、弊社が注目したブース情報についてまとめた内容を紹介します。

■開催概要
主催:日本画像・計測機器協議会(アドコム・メディア株式会社)
開催日時:2018年12月5日(水) ~ 12月7日(金)  10:00 ~ 17:00
参加日時:2018年12月6日(木)  10:00 ~ 17:00
開催場所:パシフィコ横浜(展示会ホールD)
出展物:画像に関するあらゆる機器およびシステム、メディア

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■出展企業内容
【カメラ関連ブース】
<日立国際電気>
カラーカメラ(HV-F203GV)
⇒色の三原色(R,G,B)をそれぞれ別センサにて撮像して色の鮮やかさを強調

カメラトータル製品ラインナップ:30万画素程度~1258万画素

<東芝テリー>
偏光イメージセンサ搭載カメラ
⇒撮像素子の角度を変えることで4方向からの撮影が可能

カメラトータル製品ラインナップ:30万画素~1230万画素程度

<オムロンセンテック>
9台の小型CMOSカメラ(USB3.0)を使用してワークの撮影
⇒小型でも高画素(最大1200万画素)

カメラトータル製品ラインナップ:30万画素~1200万画素程度

<SONY>
安川電機:MYVIS対応カメラ(XCL-5005)
⇒後継機種(XCL-SG510)

カメラトータル製品ラインナップ:30万画素~1240万画素

<Basler>
CMOSカメラでの低価格、高性能の強みを持つドイツメーカ

カメラトータル製品ラインナップ:30万画素~2000万画素

<LINX>
川重ロボットとカメラを使用したワークピッキングによるシステム

<FLIR>
特に赤外線カメラを得意とするメーカ

カメラトータル製品ラインナップ:30万画素~2000万画素程度

<Phoxter>
カメラの他、レンズ、照明、センサ類、画像処理用PC等、画像関係製品全般を取扱う

カメラトータル製品ラインナップ:30万画素~2000万画素

【レンズ関連ブース】
<CBC>
耐震5MPレンズシリーズ(マシンビジョン対応、耐震メカ設計シリーズ)

<MORITEX>
FAレンズシリーズ(MLシリーズ)

<μTRON(ニュートロン)>
ロボットビジョン用レンズ
⇒他メーカに比べて多品種少量生産でも安価なのが特長

<タムロン>
マシンビジョン用単焦点レンズ(IMXシリーズ)

<富士フィルム>
マシンビジョン用各種レンズの取扱い
⇒耐振動、耐衝撃設計+独自技術の高解像性能あり

【照明関連ブース】
<イマック>
ライン、リング、バー、透過、ドーム照明など多品種な製品を提供
⇒テスティングルームがあるため試験も可能

<MORITEX>
レンズの他、各種照明関係についても製品として取扱いあり

【画像処理関連ブース】
マイクロテクニカ
オプティクスエフエー
トラスト・テクロジー
ファースト
ジャパンシステム

画像処理メーカは、要約して以下の内容を行っている
自社製または主要な画像処理ライブラリ(HALCON, COGNEX VISIONPro, Pythonなど)を使用して検査プログラムの作成
検査システムに応じたカメラ・レンズ・照明機器などの選定
 (自社製の画像処理機器を製作しているメーカもあり)

【センサ関連ブース】
<SICK(ジック)>
ユニバーサルロボットで2Dビジョンカメラを使ったバラ置きワークピッキング

また国際画像機器展ではセミナーを同時開催で行っており、最新の情報をセミナーを通じて入手することもできます。
聴講したセミナー内容についてもご紹介します。

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■セミナー
ディープラーニング搭載画像検査システム ~AIを外観検査や異物検査に用いるコツ~
㈱トラスト・テクノロジー 山本様

AI(ディープラーニング)が今後、画像検査のトレンドになることは間違いない
⇒しかし、現状"AI"という言葉がひとり歩きしている状態

AI=カメラで認識させれば勝手にOK・NG判定をしてくれると誤認している
⇒技術として現状はその領域までいっていない(研究としては進めている)

現状のAI機能としては、作業者にて良品・不良品をAIに教示する必要がある
⇒良品と不良品の細かな閾値がユーザ自身も明確になっていないケースが多数ある

ディープラーニング技術の数年後の目標としては、良品のみの教示で検査可能となること
⇒良品からAIが独自に不良品を内部生成し、勝手に不良品についても学習する

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■展示会全体を通してのまとめ
国内カメラメーカは、CMOSカメラの導入が海外より遅れたため、価格帯としては海外メーカのほうが安価な場合がほとんど

国内カメラメーカとしては、サポート面で価格と勝負している状況

レンズ選定としては、FA向けのレンズは耐震構造になっているものがほとんど
⇒ロボットなどに取りつけて使用する場合は振動による画像のブレを無くす

カメラ、レンズ、照明の専門の技術者はいるがトータルの選定を行える技術者が少ない
⇒ユーザとしてはメーカが多数あるので、選定に迷う、トータルで選定をしてくれるメーカは使用ユーザとしては人気

最新のトレンドはAIによるディープラーニングである
⇒研究段階な面も多いが、将来的に専門の画像処理技術を必要としなくても画像検査の自動化が可能になる

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